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ホホジロザメ - Carcharodon carcharias -
ホホジロザメはネズミザメ科の軟骨魚類です。体長4〜6m、体重1〜2トンと大型で、雌の方が大きな体を持ちます。このサメは世界中の海に生息していますが、北アメリカ大陸西海岸、南アフリカ、オーストラリア南部等、サメの仲間では比較的冷たい海(冷温水域)に多く現れます。日本でも各地で捕獲、観察例があり、北海道での捕獲記録もあります。

ホホジロザメは卵胎生で、母ザメは胎盤を作りません。そのため子ザメは胎内で卵黄から栄養を補給します。その後卵黄がなくなると、母ザメが送り込む新しい卵子や自分の兄弟の共食いを始め、胎内での生存競争に勝った子ザメだけがこの世に生まれます。ホホジロザメの近親種のアオザメ、ネズミザメも同じような繁殖生態をとっており、卵食、共食い型の繁殖と呼ばれています。

ホホジロザメは一度の出産で5〜10頭の赤ちゃんを産むといわれています。赤ちゃんの大きさは体長120cm〜150cm、体重15kg〜25kgとかなり大きいようです。
歯は二重三重にはえる

ホホジロザメの歯は二重三重に重なってはえており、前方が古い歯で後方が新しい歯になっています。新しい歯は時間とともに前方にせり出してきて古い歯になり、まるでベルトコンベアで運ばれているように次々にはえ替わります。この仕組みで獲物を襲ったりして欠けたり折れたりした歯も、しばらくすると自動的に新しい歯に入れ替えられ元通りになります。1本の歯の長さは約7〜8cmくらいで三角形をしていて、縁がノコギリ刃のようにギザギザになっています。

従来ホホジロザメは、アシカやアザラシのコロニーの間を数日間、200〜300km程度移動するだけの沿岸性のサメと考えられていました。しかし、最近の研究(Nature 2002/1/3 issue)で、最長3800kmの回遊をしていることが発表されています。この研究によると、アメリカ・サンフランシスコ沖で通信衛星から監視可能なタグ付けされたホホジロザメが初冬に回遊を始め、約2ヵ月後にハワイ島沿岸まで回遊したことが確認されたとのことです。
獲物を追ってジャンプする

また同じ研究で、ホホジロザメは水深5m程度のごく浅いところと、水深300m〜500m(最大680m)の深いところの2つの水深域でほとんどの時間を過ごしており、その中間の水深域にとどまることがほとんどないことがわかったといいますが、その理由は不明のようです。

ホホジロザメはIUCNレッドリストでは絶滅危急種(VU A1cd+2cd)に指定されています。


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