キタゾウアザラシ - Mirounga angustirostris - |
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キタゾウアザラシは鰭脚目アザラシ科の海棲哺乳類です。生息域はアラスカからメキシコ・バハカリフォルニアの太平洋岸で雄は体長4〜5m、体重1000〜2300kg、雌の体長2〜3m、体重600〜900kgにもなる大型のアザラシです。 |
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雄の鼻 |
その名の通り、キタゾウアザラシの最大の特徴は顔の前に突き出た大きな鼻です。この大きな鼻は雄にだけある特徴で、年齢が高いほど突出してきます。近縁のミナミゾウアザラシも同じ特徴を持っていますが、キタゾウアザラシの鼻の方がより大きくなります。 |
キタゾウアザラシは食料を探すために1年の4分の3くらいの期間回遊しています。回遊は2回にわけて行われ、雄と雌では別々の回遊ルートを持っています。雄はアリューシャン列島やアラスカなどへ太平洋沿岸を北に向かって南北の回遊をし、雌は太平洋の真ん中に向かって東西の回遊をします。
キタゾウアザラシは深い海へ長時間潜ることができます。その潜水水深は500〜1500m、潜水時間は20〜70分といわれています。イカ、タコ、エイ、小型のサメなど魚類全般がキタゾウアザラシの食料になっています。
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ミルクをこぼしながら飲む |
アメリカ・カリフォルニア州沿岸のいくつかのビーチでは、毎年12月〜1月にかけて、キタゾウアザラシの赤ちゃんが生まれます。
生まれたばかりの赤ちゃんは真黒な短い産毛に覆われており、体重30kgくらいです。
母親が赤ちゃんに与える高脂肪のミルクのおかげで、赤ちゃんは生後1ヶ月で体重100kg〜150kgになります。 |
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ビーチにいる群れ |
キタゾウアザラシは一夫多妻です。雌が出産のためにビーチに上陸してまもなく同じビーチに集まり、ハーレムを作るために激しい闘いがはじまります。雄同士の戦いでは、流血し傷を負うことも珍しくなく、ほとんどの雄は首すじなどに傷があります。雌は出産後約1ヶ月でハーレムのリーダーの雄と交尾をし、約1年後に出産します。
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