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アカウミガメ - Caretta caretta -
一般的にウミガメとは、爬虫類のカメ目のなかで海に生息する種類のことをいい、ウミガメ科(アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ、ヒメウミガメ、ケンプヒメウミガメ、ヒラタウミガメ)の6種とオサガメ科の1種(オサガメ)を指します。
アカウミガメはウミガメ科に属し、体長(甲長)70〜100cm、体重約100kgで、赤褐色または黄褐色の体色をしています。生息域は日本近海を含む、世界の熱帯から温帯の海に広く分布しています。
アカウミガメは一生のほとんどを海で過ごしますが、雌による産卵行動、子ガメの発生だけは、砂浜で行われます。日本では毎年春から夏にかけて、茨城県以南の太平洋岸と石川県以南の日本海側のいくつかの砂浜に産卵のために上陸します。私が観察をした静岡県中西部地域では、毎年5月下旬から8月下旬に産卵上陸が行われています。
産卵が終わり海に帰る
アカウミガメの産卵上陸はほとんどの場合夜行われ、静かで人工光が少ない砂浜を好むようです。波打ち際に上陸すると、産卵に適している砂地を求めて歩きます。気に入った場所に到着すると、自分の体が隠れるくらいに少し砂をどけた後、産卵のための穴(卵室)を掘ります。左右の後ろ足をシャベルのように器用に使って、深さ約50〜60cmくらいまで掘り、いよいよ産卵に入ります。アカウミガメは、一回の産卵で80個から150個くらいの卵を産み、卵の大きさはちょうどピンポン玉と同じくらいです。その後、後ろ足を使って卵室を埋めます。卵室を埋め終わると、前足、後ろ足の両方を使って、力いっぱい砂を吹き飛ばします。これは、卵室の場所を隠すためのカムフラージュと考えられています。
そして海に帰っていきますが、この産卵上陸の一連の時間は1時間〜2時間くらいです。
次から次へと砂から脱出する
アカウミガメの卵は産卵から40日くらいで砂の中で孵化します。孵化した子ガメは砂の中からはい上がって、夜を待って地表に脱出します。そして子ガメはかすかに明るい海に向かって歩きだします。生まれたばかりの子ガメの大きさは、甲長約5cm、体重約20gです。
海に向かう子ガメ

子ガメは生まれてから10年前後は、外洋を回遊して暮らしているようです。その後、甲長50cmくらいになると沿岸域に戻ってきますが、繁殖活動を行うのはずっと先で25歳くらいからです。ただ生まれてから繁殖活動を始めるまでの行動は、まだあまり解明されていません。

アカウミガメは、他のウミガメの仲間より、頭部が大きく、強い顎を持っていることが特徴です。これは貝類や甲殻類などの海底に棲んでいる硬い生物を食べているからだと考えられています。貝類、甲殻類の他には、水面や中層を泳ぐクラゲや海藻などを捕食しています。

IUCNレッドリストでは絶滅危惧種(EN A1abd)に指定されています。


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